受贈詩書2018

詩界トピックス



アンソロジー『詩国八十八ヵ所巡り』(燈台ライブラリ3)発刊 !

嶋岡晨編・解説(洪水企画発行・草場書房発売)新書版192頁1300円+税 2017年1月31日発売。

嶋岡さんの付記には、「年二回発行の〈詩と音楽のための〉雑誌「洪水」主宰池田康氏より要望があり、いわゆる「戦後詩」とその前後において注目される重要な詩八十八編を選出、四国八十八ヵ所巡礼になぞらえ『詩国八十八ヵ所巡り』(このタイトルも池田康氏の発案)といったものを試みてみた。提案者の期待したほどの成果をおさめたかどうか、全く自信はないが、こうした試みもムダではあるまいという程の思いはあり、あえて上梓を同氏にゆだねた。なかには大きく一時代を画した詩・詩人もあるはずで、後代を継ぐ人々にとっては、必ず何らかの糧、導き、道標として役立ってくれるに違いない。その巡礼に、笠も白衣も錫杖も必要はなく、ただ背を押すポエジィがあればよろしい。」

内容は、峠三吉、鮎川信夫、山本太郎、田村隆一、谷川雁、黒田三郎、関根弘、宗左近、石原吉郎、金子光晴、天野忠、長谷川龍生、黒田喜夫、秋谷豊、菅原克己、飯島耕一、木原孝一、嵯峨信之、木島始、真壁仁、清岡卓行、石垣りん、川崎洋、伊藤桂一、井上俊夫、会田綱雄、山田今次、吉野弘、谷川俊太郎、城侑、山村暮鳥、高村光太郎、萩原朔太郎、佐藤春夫、西脇順三郎、田中冬二、宮沢賢治、八木重吉、丸山薫、北川冬彦、三好達治、尾形亀之助。高橋新吉、富永太郎、小熊秀雄、村野四郎、中野重治、春山行夫、草野心平、小野十三郎、山之口獏、瀧口修造、竹中郁、近藤東、坂本遼、原民喜、神保光太郎、永瀬清子、伊東静雄、高見順、中原中也、井上靖、津村信夫、菱山修三、槇村浩、立原道造、淵上毛銭、串田孫一、野村英夫、吉田一穂、安西均、吉岡実、中桐雅夫、三好豊一郎、那珂太郎、北村太郎、吉本隆明、茨木のり子、中村稔、新川和江、大岡信、白石かずこ、入沢康夫、三木卓、荒川洋治、葵生川玲、嶋岡晨。

八十八編・八十八人のなかに選んでいただいたのは大変光栄なことで、存命な詩人は九人に過ぎず、いずれも代表作、日本の戦後詩にとって欠くくことのできない詩人たちであることを改めて、感じることになった。2017年1月27日  (葵生川玲)

「現代詩研究会」のシンポジウム

「詩と思想」主催ののシンポジウムとして、10月15日(土)午後1時30分から早稲田奉仕園スコットホール(1F)にて開催。

「詩と思想歴代編集長が語る

「戦後詩の継承と発展」

シンポジウム・パネラー 高良留美子、葵生川玲、森田進、一色真理 司会・中村不二夫

「詩と思想」の40数年の歴史と担当時の詩誌編集の成果と問題点、発展のための方策なども語られ、高齢化のなかの果たす役割も含めて、現代詩の未来と展望、現在の詩の現状も含めて語られ、ノーベル文学賞のボブ・ディランについての評価の話も出て、その後は、パネラーとの質疑もあり、実りのある集まりとなったようだ。参加者は120名あまり、二次会には40名以上が参加、散会時間を越えて盛り上がっていた。

純喫茶「白樺」閉店

元板橋詩人会議(のちにほくぶ詩人会議に改称)の例会開催場所になっていた都営地下鉄板橋本町駅上の喫茶店「白樺」が閉店されることになったとの知らせを、元会員の大門康睦氏からいただいた。よく近くを通るのに、車での移動ということもあり、入る機会を失っていたが。この3月31日までで閉店とのことである。板橋詩人会議は、1967年に機関誌「青空」創刊号を発刊し、2004年7月に第52号終刊号を出して解散されたが、当初の板橋第七出張所や喫茶シャノアールを会場としていたが、多くは喫茶「白樺」を例会場所としてきたのだった。終了後は、近くの中華屋や居酒屋での二次会が通常のこととあったが、グループ創立メンバーの西川即、渋谷勲氏、その後の本橋勝、上村利子、大年寺さと氏らが亡くなられている

長い時間が経ったことを実感させられる。

小海永二氏逝去

「文藝家協会ニュース」9/30日発行号の訃報欄に、7月21日に亡くなられたことが書かれている。83歳、葬儀はご家族のみで行われたとのことである。東京都生まれ、元日本現代詩人会会長、横浜国立大名誉教授、元「詩と思想」編集長、1989年から現在の詩誌「詩と思想」誌の発展の基礎を作り上げた。詩人アンリ・ミショーやガルシア・ロルカ、またダダ、シュルレアリスム関連文献等翻訳の第一人者。現代詩の鑑賞やアンソロジー、国語教育者としての編著も多い。詩集に『峠』『風土』『幸福論』など。訳書に『アンリ・ミショー全集』『シモーヌ・ヴェィユ詩集』『小海永二翻訳全集』など。絵本に『たぐぼーとのいちにち』など著書多数。特に日本の詩史や詩論史についての貴重な業績がある。

私と小海さんとの関わりでは、1989年からの新生「詩と思想」の編集委員に招聘され、多くの仕事を任されてきたが、「詩と思想」編集長を1996年4月から担当することになり、編集顧問としての小海さん、当時の土曜美術社出版販売社主 加藤幾恵さんの三人で毎月一回、小海宅で編集会議が行われ、詩誌「詩と思想」の年間計画、関連のアンソロジーや文庫の進行計画が話し合われ、企画の詳細まで決められたのであった。小海宅、横浜市戸塚区南舞浜へ毎月三年間通ったのであるが、加藤さんは往きは電車で、帰りは私の車で早稲田の自宅まで送り届けることだったのである。

帰りは、夜になるので横浜ベイブリッヂを通り、羽田の地下道を通りだったが、ベイブリッヂからの夜景は日本の風景ではないように感じたみとを覚えている。詩論・エッセー文庫『詩人の生き方』1993/11/25(土曜美術社出版販売)の解説で詩人論「現代詩を体現する詩人」を私・葵生川が書いている。考えてみれば、二回りうえの羊、黒田三郎さん一回り上の羊、小海永二さんと二人の羊の先達に導かれての詩を生きる人生だったのかと感謝とお礼の言葉と共にお悔みを申し上げたいと思います。

加賀谷春雄氏逝去

鎗田清太郎氏逝去

中正敏氏逝去

小選挙区制に反対する詩人の会の活動と現代の危機

「新日本歌人」2014年3月号に、「憲法随想」の依頼があり、現在の危機的な状況に対して、十年前には「九条の会」が発足し、幅広い活動を全国的に展開しているが、今年になって吉野弘氏が亡くなられ、昨年には城侑氏が亡くなられるなど、1973年に活動を開始し、20年あまり継続的に活動を続けた「小選挙区制に反対する詩人の会」(後に聞く・考える支持の会に名称変更)の主要なメンバーが欠けていく中、記録も多く語られていないことがあり、インターネットの検索でも情報が少ないことがわかり、私の記憶と記録とで、会の活動を辿ってみたいと考えています。もし、資料等をお持ちでしたらお貸し願えれば幸いです。

本年度詩人賞発表

第64回H氏賞

峯澤典子『ひかりの途上で』(七月堂)1200円+税

発行所 七月堂 156-0043東京都世田谷区松原2-26-6  03-3325-5717


第32会現代詩人賞

甲田四郎『送信』(ワニ・プロダクション)2000円+税

発行所 ワニ・プロダクション 301-0837 竜ヶ崎市根町71  0297-62-9844


第19回中原中也賞

15日の選考委員会で、『指差すことができない』大崎清夏(さやん)に決まった。

日本現代詩人会第64回H氏賞、第32回現代詩人賞候補作決まる!

日本現代詩人会は、2月1日会員投票による開票理事会を開催、投票管理委員立会いのもとで開票を行い、会員投票による上位8位までの詩集を、選考委員会に付託、2月6日に第一回選考委員会を行い、選考委員推薦の追加候補詩集を含めて、各詩人賞の候補詩集を決定した。

なお、第二次選考委員会(最終選考)は3月1日に開催され、各賞を決定する。即日報道機関に通知することしている。授賞式は、6月15日(日)開催の「日本の詩祭21014」(ホテルメトロポリタンエドモンド)にて行われる。

詩祭では、贈賞式の他、植木雅俊の講演の他「青葉城恋歌」のさとう宗幸氏の出演がある。入場券1000円は、会に申し込むか、当日参加でも可能です。

第64回H氏賞候補詩集
(会員投票)
中島真悠子「錦繍植物園」(土曜美術社出土版販売
石川早苗「言尽くしてよ」(歩行社)
伊藤公成「カルシノーマ」(澪標)
川島洋「青の成分」(花神社)
花潜幸「雛の帝国」(土曜美術社出土版販売)
水嶋きょうこ「繭の丘。(光の泡)」(土曜美術社出土版販売)
橋本征子「青い魚」(土曜美術社出土版販売)
林美佐子「鹿ヶ谷かぼちゃ」(詩遊社)
(選考委員推薦)
峯澤典子「ひかりの途上で」(七月堂)
浦歌無子「イバラ交」(思潮社)
なお投票次点詩集は、村野美優「ちいさな水」(A factory)

32回現代詩人賞候補詩集
(会員投票)
甲田四郎「送信」(ワニ・プロダクション)
こたきこなみ「第四間氷期」(土曜美術社出土版販売)
上手宰「香る日」(ジャンクション・ハーベスト)
山本泰生「祝福」(歩行社)
朝倉宏哉「鬼首行き」(土曜美術社出土版販売)
清水茂「暮れなずむ頃」(舷燈社)
杉谷昭人「農場」(鉱脈社)
日原正彦「冬青空」(ふたば工房)
(選考委員推薦)
有馬敲「晩年」(土曜美術社出土版販売)
御庄博実「川岸の道」(思潮社)
塚本敏雄「見晴らしのいいところまで」(書肆山田)
なお投票次点詩集は、田村雅之「航るすがたの研究」(青磁社)、北川朱実「ラムネの瓶、錆びた炭酸ガスのばくはつ」(思潮社)


吉野弘氏が逝去
2014年1月15日午後9時48分、肺炎で死去。87歳。生活感に根差した作風は、広く読者を獲得していた。個人的なことでは、「詩人会議」誌の黒田三郎特集の座談会に2回ご一緒したことがあり、後の方では、車の免許を取得した時期のことを生き生きと話されていた、名古屋まで運転していったとか。私が、2度目の日本現代詩人会の理事長に在任のおりに、吉野さんの先達詩人との話が出て、打診していた時に、私ではなく会長であった安藤元雄氏に断わりの電話があった旨のことがあり、きちんとした理由は聞けずじまいであったが、晩年には、随分と組織や人嫌いになっていたようである。しかし、「小選挙区制に反対する詩人の会」(後に「聞く・考える詩人の会」に改称)」呼びかけ人・伊藤信吉、小野十三郎、黒田三郎では、「反戦詩でつづる百年」「五月の詩」の際には、小さな綴じのアンソロジーを編集、作成したりして、随分と力を入れていたのを思い出します。ご冥福をお祈りいたします。

辻井喬氏が逝去
日本現代詩人会名誉会員で、セゾン文化財団理事長の辻井喬氏が11月25日午前2時5分、肝不全のため死去された。86歳。葬儀・告別式はすでに済ませたとのこと、喪主は妻麻子さん。お別れの会は後日開く、日取り、場所は未定とのことである。日本現代詩人会で、何期かにわたり、理事を同じくしたことがあり、その人柄や仕事ぶりを拝見する機会があった。ご冥福をお祈りいたします。

日本現代詩人会が「秘密保護法」に反対の声明を発表
日本現代詩人会は、11月24日緊急の臨時理事会を開催、現在審議中の「秘密保護法案」に対して反対の「声明」作成、25日に各政党、新聞各紙、詩人団体、全国月刊詩誌に向けて発送しました。
声明は次の通りです。

声 明

 私ども日本現代詩人会は、第二次世界大戦敗戦による終結後5年の昭和50年に、詩文学と精神の
復興を願って詩人有志によって創立されて63年になる全国に1000名余の会員を擁する詩人団体です。
 戦争による無惨な廃墟から、国民主権の憲法のもと、戦後民主主義のなかで、社会の革新と文化の豊かな創造的な活動を進めてきました。
 しかし、今回の安倍晋三自民党と山口那津男公明党の連立政権によって、国会に上程され、審議されている「秘密保護法案」の内容は、私どもが戦後一貫して拠り所としてきた、国民生活の根幹である日本国憲法を改定する意図の元に進められており、憲法の精神に反し、明らかに私どもの生活を脅かすものです。
 安倍政権のいう「積極的平和主義」は、戦争に向かう言葉のロジックで、米国の国家安全保障会議(NSC)に対応する日本版NSC(国家安全保障会議)、特定秘密保護法、集団的自衛権行使が3点セットで、日本を戦争が出来る国に変えることを目的とする背景があることが感じとれます。
 何よりも、「特定」の秘密の範囲が曖昧で、防衛に限らず、原発、テロなどの名目によりその適用範囲が無限に広がり、官僚だけでなく罰則が多くの国民に及ぶことも懸念されます。
 情報公開が世界の潮流の時代に、私ども日本国民の知る権利を著しく制限する「秘密保護法」は、戦前の「軍機保護法」「治安維持法」「国家総動員法」による戦争体制への知らぬ間の移行を想起させて不安な感情を掻き立てます。
 私どもは自由な創作と発言を制限されかねない危険な「秘密保護法」の成立に反対いたします。
2013年11月24日
                                  日本現代詩人会理事会
                              会  長 財部鳥子

                                          理事長 北畑光男

 福島での公聴会の模様は、「東京新聞」朝刊でも掲載されており、26日夕刊では、「賛成ゼロの公聴会翌日、秘密法案、採決強行」とあり、朝刊の見出しでは、「与党推薦者も強い疑念」と一面見出しに置いてある。
 自民党と公明党の連立政権に、みんなの党が特別委員会採決に賛成し、修正の度に内容が悪くなるなど、これだけ政党、法曹界、著名なジャーナリスト、民間の団体が危惧し、反対を表明している中で強行したことは、許されることではない。
 昨年の総選挙時に「ねじれ」の解消を大宣伝、その動きに加担してきた、マスコミの責任は重大である。
その結末は、憲法改定と戦争のできる国づくりであることは、今回のことで明瞭になったと思う。


城侑さん逝去
元詩人会議運営委員長で「聞く考える詩人の会―旧小選挙区制に反対する詩人の会」幹事長。荒地の詩人。
6月29日に亡くなり、7月3日通夜、4日告別式が我孫子市・ウィングホール柏で行われた。喪主は夫人の・城千鶴子さん。
「きく・考える詩人の会」に第23回から幹事に加わり、共同で運営を担ってきたこともあり、生前にお会いできなかったのは残念であった。

ドナルド・キーンさん日本国籍取得
東京都北区民である、日本文化研究者ドナルド・キーンさんの日本国籍取得が明らかになり、北区役所で記者会見をし、「ここに38年前から住んでいる。」と北区への愛着をアピール、花川区長は、「今年は飛鳥山の桜を楽しんでください。」と祝福した。


第27回詩歌文学館賞
須藤洋平『あなたが最期の最後まで生きようと、むき出しで立ち向かったから』 (河出書房新社)

8日された、詩集は収録された20篇のうち、「密葬」など大半が震災を題材にした作品とのことである。贈賞式は、5月26日、岩手県北上市の日本現代詩歌文学館で行われる。

第3回鮎川信夫賞
5日、詩集部門に藤井貞和『春楡の木』(思潮社)、評論部門に野村喜和夫『移動と律動と眩暈』(書肆山田)、『萩原朔太郎』(中央公論新社)
に決まった。

第40回壺井繁治賞
3日、今年度の受賞に、秋村宏詩集『生きものたち』(雑草出版)に決まった。贈賞式は、5月27日伊東小涌園の詩人会議全国運営委員会で行う。

日本現代詩人会 2012年度詩集賞決定
●第62回H氏賞
廿楽順治 『化車』   (思潮社)
●第30回現代詩人賞
杉山平一 『希望』   (編集工房ノア)

*授賞式は6月2日(土)午後1時より東京・飯田橋のホテルメトロポリタン・エドモントで開催されます。

第一回選考委員会は、2月9日早稲田奉仕園で、第二回最終選考委員会が、3月3日同所で、選考委員全員の出席で開催され、上記の詩集に決定した。今回、選考委員に名を連ねていることもあり、会の発表を待って、速報をお届けする。選考経過、受賞詩人の紹介、受賞の言葉、作品抄録などの詳細は、会の発行する「特集 現代詩2012」(6月発行・領価400円)に掲載されることになっている。
●第62回H氏賞候補詩集
青柳俊哉 「球体の秋」       コールサック社
伊藤悠子 「ろうそく町」      思潮社
大野直子 「化け野」        澪標
河邉由紀恵「桃の湯」        思潮社
北島理恵子「三崎口行き」      ジャンクションハーベスト
北原千代 「繭の家」        思潮社
斎藤紘二 「海の記憶」       思潮社
廿楽順治 「化車」         思潮社
中井ひさ子「思い出してはいけない」 土曜美術社出版販売
野田順子 「うそっぷ」       土曜美術社出版販売
八柳李花 「サンクチュアリ」    思潮社

選考委員
望月苑巳(理事)。長嶋南子(理事)、宇佐美孝二、斎藤貢(選考委員長)、柴田千晶、杉本真維子、水島英巳
●第30回現代詩人賞候補詩集
秋山基夫 「薔薇」         思潮社
石原 武 「金輪際のバラッド」   土曜美術社出版販売
北畑光男 「北の蜻蛉」       花神社
國峰照子 「ドン・キホーテ異聞」  思潮社
白井知子 「地に宿る」       思潮社
杉山平一 「希望」         編集工房ノア
田村雅之 「水馬」         白地社
新延 拳 「背後の時計」      書肆山田
辺見 庸 「眼の海」        毎日新聞社
丸地 守 「乱反射考・死精」    書肆青樹社
三井葉子 「灯色醗酵」       思潮社
望月苑巳 「ひまわりキッチン」   砂子屋書房
林堂 一 「昆虫記」        編集工房ノア

選考委員
葵生川玲(理事)、以倉紘平(理事)、原田勇男(選考委員長)、片岡直子、鈴木ユリイカ、鈴村和成、中本道代

6/18●図書新聞に書評掲載
葵生川玲新詩集『歓びの日々』
執筆・今岡貴江氏


6/10●清水昶氏の死
数日前、若い友人のブログでその死をしった。
5/30心筋梗塞によるとのことで、70歳、葬儀は近親者のみで行い、しのぶ会は後ほどとのことだが未定とのことである。
その若い友人は、唯一というオマージュを捧げ悼んでいる。
この国の、戦後の進路を、経済優先を鮮明にした60年代の混乱の時期に、学生運動の騎手たちや尖鋭な活動家や同調する若者に、カリスマのように受け入れられていた。
その60年代の詩人を眺めながら、70年代に詩を書くことを始めた者にとって、清水昶は、眩しい存在であった。また、一種の流行物を見るように、『少年』『朝の道』を読んだことがある。その後、黒田喜夫との論争は、深い内省と抒情の在り処を求めるものと感じられた。
時代が去って、経済成長の平坦な道のりを、清水はどう生き延びてきたのか、何処かで共感とともに、国民総中流という幻想に満ちた時間は、清水にとって最も過酷で冷酷なものではなかったか。また、現在の苦しく先の見えない時代状況と、自身の生を時代の波に晒しつつ書き続けるというよりも、生の姿を露呈することの苦痛を、ことばに映していたという方が解りやすいのかも知れない。
若い友人の、清水に対する共感は、そこに発しているのではないか。
ともあれ、寂しい死の到来であり、唐突な時間の停止である。お疲れ様でした。


●第39回壷井繁治賞
清水マサ詩集『鬼火』(詩人会議出版)
草倉哲夫著『幻の詩集・西原正春の青春と詩』(朝倉書林)
贈呈式は、5月28日午後6時から、東京・新宿区の日本青年館で行われる。

●第61回H氏賞
高木敏次詩集『傍らの男』(思潮社)
●第29回現代詩人賞
高垣憲正詩集『春の謎』(土曜美術社出版販売)
授賞式は、5月15日午後1時から、東京・飯田橋ホテルメトロポリタン・エドモントで開催の「日本の詩祭2011」で行われる。

●第44回日本詩人クラブ賞
北岡淳子詩集『鳥まばたけば』(土曜美術社出版販売)
●第21回日本詩人クラブ新人賞
渡辺めぐみ詩集『内在地』
(思潮社)
●第11回日本詩人クラブ詩界賞
『リズムと抒情の詩学』呉世宗(生活書院)
贈呈式は、4月9日午後2時から、日本出版クラブ会館を予定している。